令和5年5月20日(土)、宗祖親鸞聖人の降誕会を行いました。
親鸞聖人は、承安三年(1173年)の5月21日(新暦)に生まれられたと伝わっています。今年はその親鸞聖人のご誕生から850年の節目を迎えます。
西正寺では、その850年の節目の降誕会ということで、すこし特別な対談企画も計画して、降誕会をお勤めしました。
おかげさまで、当日は30名以上の方々にご参拝いただきました。
最初に、正信念仏偈をおつとめし、その後住職の法話。
「親鸞聖人の示された教え」と題して、他力のお念仏についてのお話でした。
法話の後は、天台宗僧侶の露の団姫さんと住職の特別対談企画。
露の団姫さんは、市内の天台宗道心寺のご住職ですが、西正寺寄席でいつもお世話になっている落語家さんでもあります。
親鸞聖人は9歳で出家され、天台宗本山である比叡山延暦寺でおよそ20年間ご修行をされました。その後、修行を辞められ下山されることになりますが、歴史の中で浄土真宗と天台宗のつながりは深く、恵心僧都(源信)の千回忌では天台座主が西本願寺での法要に導師として来られたこともあります。
今回の対談ではそんな天台宗の僧侶である露の団姫さんに、僧侶になられたきっかけや、天台宗の修行について色々とお話いただきました。
「常行三昧」と呼ばれる、御本尊の周囲を一度も座ることなく回り続ける修行や、食事や排泄のとき以外はもっぱら坐り続ける修行があることを教えていただきました。
ちなみに、修行では大半の方が痩せられるそうです。ところが、露の団姫さんは逆に太ってしまったとのこと。これは、落語家としての修行の中では「食べない人は修行についていけない」と教えられ、日々食事をしっかり摂っていたからだそう。
対談の中で特に印象に残っているのは、やはり親鸞聖人の時代と変わらない修行の姿が現代でも行われていること、そして露の団姫さんが「修行をすればするほど我が身の愚かさに気付かされる」と話されたことでした。
修行とは、自分自身の欲を滅するものではなく、むしろ欲の多き我が身の姿を改めて気づかせていただくものではないかと考えさせられる特別対談でした。
お話くださった露の団姫さん、そしてお参りくださった皆さま、ありがとうございました。